コダモンです。(@kodamon)
これまで通算15年ほど海外で暮らしてきました。
日本の高校を卒業した後は単身ドイツに渡って、ドイツの大学を卒業。ドイツ在住歴も、かれこれ10年以上になります。
日本の大手企業を4年半で辞めて、今はドイツ国内のドイツ企業に勤めています。
日本とドイツの両方で社会人を経験したわけですが、ドイツにはワークライフバランスがあり日本人にとってとてもとても暮らしやすい国です。

日本もドイツも大好き
そこで今回は、『移住をするならドイツがおススメな理由!』というテーマで、実際に長年ドイツで暮らすコダモンが解説します。
ドイツはヨーロッパでも安全な国

まず、海外で暮らすにあたって気になるのが、その国の治安。
日本は世界でも有数の平和な国なので、なおさら移住先の治安が気になるでしょう。
でも、ご安心ください。
ドイツの平和度指数ランキングの順位は17位です。
これは、北欧やスイスなど『治安が良くて有名な国』に次ぐ高順位。

ドイツはかなり安全
数字的に見ても、ドイツはヨーロッパの中でも豊かで安全な国だと言えます。スペイン(31位) やフランス (55位) などと比べると、その順位の高さがわかると思います。
実際にドイツに長年住んでみて、身の危険を感じるような事はこれまで一度もありませんでした。
欧米諸国は基本的に競争社会なのでシビアな面もありますが、それ以外はいたって平和。日常生活で身構えて行動するような必要はありません。
それでも…。
ドイツは『海外』なので、やはり日本とは違います。
ドイツで注意するべきところ
ドイツに移住する場合は、具体的に次のような事を知っておく必要があるでしょう:
排他的な極右勢力/政党が存在する!
日本の反社会的組織にあたる『マフィア』がいる!
ドイツ人も被害に遭うほど巧妙な軽犯罪がある!
飲酒や違法薬物のハードルが日本より低い!
…とは言いいつつも、これらは全て普通に暮らしていれば無関係というレベル。

基本的には大丈夫
ドイツの大都市は多種多様のなので、そこで暮らす日本人は良い意味で『その他大勢』です。外国人だからトラブルに巻き込まれる、という事はほぼありません。
夜の街を若い女性が一人でウロウロするのはちょっと危険…という感覚です。
ドイツでは警察官も頻繁に巡回しているので、心強い。
トータルとして、ドイツは日本人が暮らすには十分安全! だと言えます。
ドイツは医療保険システムも充実

ドイツは、世界でも有数の医療保険が充実した国です。
(「日本とドイツの医療システムの違い」, 2019年11月時点)
ドイツの医療保険制度は長い歴史があり、日本もかつて参考にしたほど優れています。
ドイツに住む人は、みんな医療保険に入らなければなりません。移住者も留学生も、失業者も保険加入が必須です。
要するに、ドイツは日本と同じように国民皆保険の国なのです。保険料も所得に応じます。

制度に安定感がある
これまで長年ドイツの保険制度にお世話になりましたが、何一つ不自由はなかったです。
簡単なケガや病気の治療などから『妻の出産』や『乳幼児健診』まで、一通りの医療機関とその対応を経験してきました。
法定保険に入っていましたが、訪れた病院やクリニックの設備はキレイだし現地の人々の対応も丁寧。大きな困りごとは無かったです。

全く問題なし
ワンランク上の保険を希望する人のためにも、ドイツには法定保険の他に『プライベート健康保険』があります。
ざっくりと説明すれば、この保険には法定保険ではカバーされない検査や治療内容が含まれていて、「待ち時間が短い」「入院の際は個室を選べる」などの質の良いサービスがある。ただし、その分割高で条件付きです。
プライベート保険は、一定の収入以上の人や自営業もしくは公務員向けの保険です。
(※ドイツの保険制度やその仕組みに関しては、他に細かく説明されているサイトがあるので割愛!)
ドイツと日本は接点がたくさんある!

あまり知られていませんが、ドイツは意外と親日国です。
多くの日本人がドイツに定住するのも頷けます。
(JETRO – ドイツ食品事情と日本食の可能性, 2019年11月時点)
日本人の数だけで言えば、欧州ではイギリスに次いで在留邦人数が多いです。
ドイツに住む日本人が多い背景には、ドイツが世界有数の先進工業国である事実以外にも『日本人が定住しやすい環境が整っている』という事があります。

実際とても暮らしやすい
ドイツには日本との接点がたくさんあるのです。
ヨーロッパ最大規模の『日本人コミュニティ』がある!
(Japan in Düsseldorf und NRW,2019年11月時点)
ドイツでは日本食ブーム!
(「ドイツ食品事情と日本食の可能性」,2019年11月時点)
ドイツ人は日本に関心がある!
(日本政府観光局 (JNTO) 「訪日外客統計の集計・発表 2018年」,2019年11月時点)
日本人なら滞在許可も取得しやすい?
移民が多いドイツでは、はからずも申請者の出自や環境によって滞在許可のプロセスが『スムーズにいくかどうか』変わることがあります。
移民の中には、犯罪歴をゴマかしたり経済的な理由だけでドイツへの移住を目論む人もいる。
そのような中、ルールをしっかり守って書類の不備やトラブルが少ない日本人にはクリーンなイメージがあるのだと想像します。
ドイツで実際に生活していても、日本人に対するイメージはポジティブであると言えます。
日常生活の何気ない会話の中でも「日本人は礼儀正しい」「日本食は素晴らしい」などと言ってくれる人は多く、ドイツ人は基本的に親日です。
ドイツ人はワークライフバランス重視

日本とドイツで実際にサラリーマンをやってみましたが、ドイツのワークライフバランスは本物です。
ドイツ人は長時間労働を避けて、家族との時間を大切にします。
そんなドイツならではの『働く環境』は、日本とは大違いです。
(出典: JETRO – 同上)
同じ先進国、同じ経済大国でも、ドイツ人の方がより効率的に働いている。それは労働生産性にもしっかり表れています。
そして…。
ドイツには基本的に残業がありません。
ドイツ人はルールに従って働き、決められたことをキチっと守る。そのあたりは日本人にも共通しますが、ドイツと日本の決定的な違いはドイツは個人主義だということ。
これが、ドイツ人の働き方にも反映されています。
ドイツでは常に『個』が優先され、組織もそれを理解している。ドイツの職場では、みんな基本的に各自の裁量と判断で仕事をしているのです。

集団行動がない
ドイツの会社員は基本的に定時で帰宅することを前提としているので、日本の『付き合い残業』のような足の引っ張り合いがない。
「上司の目を気にして残業」「周りの目を気にして残業」というような不効率なことがなく、ドイツ人は仕事が終わればさっさと帰ります。
ドイツではコンプライアンスの遵守が厳しく管理されるため、いわゆる労基に違反するような長時間労働はありません。有給休暇も、所定の年平均28日間を基本的に全消化します。
プライベートを大事にするドイツ人は、『ワーク』よりも『ライフ』を優先させて働くのです。
ここに注意! ドイツで暮らすデメリット
これまでドイツの良い所ばかりにフォーカスを当ててきましたが、ドイツのヤバい部分もちゃんと紹介します。
結論から言うと、ドイツの生活を苦痛に感じる人もいます。
その一番の理由は、ドイツ人の『サービス』に対する姿勢。
日本人のサービス精神が旺盛で、国民性です。日本の高品質なサービスは日本にしかないため、ドイツに移住した場合はこれがネックになります。
そうです…。
ドイツでは低レベルのサービスが当たり前なのです。
これには、長年ドイツに住むドイツハーフでさえもイライラします。

マジでイラつく
実際に暮らしてみるとある程度は慣れますが、日常生活でストレスを感じる場面は少なくありません。
具体的には、次のような『イライラ要素』がドイツにはあります:
市役所などの公的機関の対応が悪い!
ドイツ食は正直、微妙!
「サービス精神の無さ」がヒドい!
これらには、正直いまだに「イラッ!!」とさせられます。
特に、市役所などの公的機関。これがヒドイ。

マジでヒドイ
ドイツの役所は対応が冷たい場合が多かったりと、とにかく色々苦労させられます。
そして、何をするにも時間がかかる。「書類を受け取りたいだけなのに、1時間も2時間も待たされた」ということが頻繁にあります。
日本では当たり前の『番号札のシステム』すら導入していない役所もあり、人々の行列が建物外まで続くようなカオスと化した現場を何度も見てきました。
このあたりには、ドイツの不親切さをとことん感じます。
「外国人局で滞在許可の取得手続き」「住民局で住民登録」など、移住の際は誰もが必ず通る道なのでドイツのお粗末なお役所事情で心が折れないように注意しましょう。
日本人からすれば、ドイツ人のサービス精神のなさはカルチャーショックです。
いかがだったでしょうか?
最後にデメリットが強調されてしまった感はありますが、それでもドイツはとても暮らしやすい国です。
欧州の違う国へ出張したり旅行した時に、毎回ドイツの良さを再認識させられます。

なんだかんだドイツは良い
海外では日本の常識が通用しないので、困りごとがあるのは当然です。それを考慮しても、ドイツは住みやすい。
海外移住を検討する場合は、是非ドイツを候補として検討してみてください。
コメント
海外移住にドイツとポーランドを入れています。