コダモンです。(@kodamon)
ヨーロッパなどの海外では国外への移住が頻繁に行われています。
日本人にはあまりピンと来ないかもしれませんが、諸外国の『移住者数』は多いです。
(auswandern-info,“Statistiken und Rückschlüsse”, 03.2020)
ドイツはEU域内の国への移住者も多く、仕事や家族以外の理由、例えば『定年後の安息地』として海外に進出する人もいます。
老後まったり
同じ数字を日本で見てみると、海外に定住する日本人の数は比較的少ないことがわかります。
(外務省HP,2020年3月時点)
それでも、最近の日本では芸能人が海外に拠点を移したり、海外移住をする人が日本でも増えている。
実際に海外移住をする時には、まず何をするべきなのでしょうか?
海外移住したい理由をよく考える
移住(いじゅう)とは、他の場所に永住することを目的として、ある地域や国を離れる行動である。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』,2020年3月時点)
海外移住には、しかるべきプロセスがあります。
移住のリサーチを行う前に、まずは「日本以外の国で暮らしたい!」という目的とゆっくり向き合いましょう。
なんで移住したいの?
海外へ移住するという事は、これまでの日本の生活とオサラバするということ。人生における新しいステージへと進むということになります。
ネットで見つけた情報だけで海外移住を思い立ったり、行ったことも無い国へ移住するのはとても危険。
そのため、海外移住は『キッカケづくり』が大事です。
「学生時代に留学したカナダが素晴らしかったから、完全に移住したい!」
「オーストラリア人と結婚するから、この際向こうで一緒に暮らしたい!」
「駐在先のタイの生活がとても気に入ったから、転職して定住したい!」
仕事やパートナー、将来設計など。その目的は様々ですが、海外移住には『それなりの理由』があるべきです。
逆の言い方をすれば、あなたの人生に接点が無い国へ移住しても絶対に長続きしません。
どうせ諦める
『あこがれ』などの気持ちも大事ですが、新天地で起こりうる苦労や災難も乗り切れる意志の強さが重要です。
おおげさな言い方をすれば、将来的にその国に骨を埋める…くらいの心構えが必要。
「物価が安いから…」「親日国だから…」などのうすっぺらい理由で移住先を決めても、肝心の海外生活は充実しないかもしれない。
海外移住をするという事は、日本人であるあなたは『外国人』。現地の人間や文化・風習・宗教を無視して暮らすことはできません。
文化庁が発表している『海外の宗教事情に関する調査報告書』なども参考に、一度その国の宗教事情などを調べてみること。
海外移住は真剣に、慎重に考えましょう。
移住先の情報収集
『永住権が取りやすい国はどこ!?』
『海外移住しやすい国10選!』
まず、そのようなネット記事や情報を鵜呑みにしないこと。
渡航先の国によっては、日本人移住者が多くて移住情報が充実していることもあります。
逆に、移住先がニッチな国だと情報収集に苦戦します。
むむむ
初めて海外移住を思い立った人はみんな基本的に『知らないことだらけ』です。
「フィリピンに40歳から移住しようと思ったけど…。え!? 預託金が5万ドルも必要なの!?」
「ドイツの定住許可って5年以上滞在して語学証明がないと申請できないの!?」
…といった具合で、現実と向き合った途端にアッサリ諦めてしまう人も多い。
移住の条件は国によって異なるので、移住先として選ぶ国は現実的な選択あると同時に『あなたが本当に好きな国』である必要がある。
じゃないと続かない
移住先のことを徹底的に調べ上げて、それでも自分の気持ちがブレないか確認する。
移住の『譲れないキッカケ』があるのであれば、その実現に向けて全力で準備します。
海外移住で変化する環境を知る
移住先を1つの国に絞れたら、次に『その国の環境』について調べましょう。
言語・宗教・文化・風習の違いを認識することで、実際の生活に結びつけた時のイメージも湧きます。
言語と宗教
海外移住の目的が何であれ、現地の言語を学ぶことは必要不可欠です。
国によっては、『語学力の証明』が長期滞在の条件であるケースもあります。
また、信仰心が薄い日本から海外へ出る場合は、海外諸国での発言や服装、立ち居振る舞いには注意が必要。
一歩間違えると想定外のトラブルに巻き込まることもあります。
文化と住環境
日本に比べると海外は総じて不便です。
『お客様は神様』のような対応は日本特有のもので、海外には存在しません。
海外では、電車やバスが遅延するのは当たり前。コンビニが無い国はたくさんあるし、店員が逆ギレしてくる事もある。
休日にお店が開いていない、賃貸物件に台所が設置されていない…などなど。お国事情を考慮して、全て事前に把握する必要があります。
精神的な影響
慣れない海外での生活は負担が大きく、精神が不安定になりやすいです。
これまで日本で慣れ親しんだ家族、友人、街、言葉、文化やサービスが無くなることが負担になるからです。
実際に、駐在員の奥様が極度の孤独感から極度のホームシックになり、『駐在継続不可』となったケースが過去にありました。
駐在員妻というステータスはとても恵まれています。それでも、移住先がドイツの比較的小さな町で日本人同士の接点も少なく、旦那さんは終日お仕事で自分は一人ぼっち…。
そのような環境の変化についていけず、精神的にまいってしまったのです。
『環境の変化』とそのリスクは、しっかり認識しておく必要があります。
海外移住する『資格』があるか調べる
駐在員、特殊技能者、配偶者…など、移住者自身のステータスによって必要となるビザや書類がガラっと変わります。
個人である日本人が各国への移住に必要な就労ビザや滞在許可を得ることは、決して不可能なことではありません。
しかし、不法滞在や経済移民のコントロールは、どの国にとっても重要課題。そのため、国外からの移住者 (あなた) に対する審査はどの国も厳しいです。
経済的要素や職務経歴など、行きたい国によってはなかなかクリアできない審査項目もありますが、それらも事前にチェックする事で長期的な移住計画を立てる事が可能です。
あなたが現在置かれている状況に対して、どのような申請プロセスと必要書類があるのか? 詳しく調べましょう。
移住先のビザ取得方法を調べる
ビザや滞在許可の取得には、基本的に現地雇用主が必要です。
その理由は単純で、ほとんどの場合まず『就労ビザ』が必要だからです。
ほぼ仕事ありき
いわゆる永住権である『パーマネントビザ』(アメリカのグリーンカードのようなもの)や、年金受給者向けの『リタイアメントビザ』なども存在しますが、それ以外は就労ビザ。
留学などの短期滞在ではなく、尚且つ現地人との『結婚』が理由では無い場合は、ほぼ一律就労ビザを目指すことになります。
そして、基本的には移住先の国が必要とする人材である必要がある。
一般的にはプログラマーなどのIT系エンジニアが『海外移住しやすい仕事』などと言われます。世界的に需要が高い職種という事ですね。
3つの国を例に、あくまで参考程度にビザ取得の特徴をピックアップしてみました。
オーストラリアの場合
(参照元: 日本貿易機構)
オーストラリアのビザ取得で1番注目すべき点は、就労ビザから永住ビザ (ENS: Employer Nomination Scheme) への切り替えが部分的にしかできない点です。
要するに、オーストラリアの労働市場で『高度なスキルを要する職』に就いていなければ、そもそも定住にはつながらないという事です。
移住者を厳選する傾向が強いオーストラリアで『永住権』を獲得するのは至難の業でしょう。
審査のレベルが非常に高く、永住ビザへ簡単には移行させない仕組みが整っています。
タイの場合
(参照元: 日本貿易機構)
日本の『海外移住したい国ランキング』で常に上位のタイ。現地での労働許可を得るためには「就業先が決定していること」が唯一の前提条件です。
そのため、滞在許可取得のハードルは低い。オーストラリアなどと比べると、格段にビザが取得しやすい環境にあるでしょう。
唯一注意すべき点は、外国人禁止作業の存在です。靴や帽子の製造、ツアーガイドなど、意外な職業が外国人には禁止されています。
ドイツの場合
(参照元: ドイツ大使館HP)
ヨーロッパの移住先として比較的人気の高いドイツ。
滞在許可取得の唯一のハードルは、正社員採用された雇用主での就業のみビザ取得が可能だというところです。
勤め先の企業からビザの面倒を見てもらうことになり、パートやバイトでは無く税金をしっかり納める正社員のみが対象。
要するに、表向きは『ビザを発給するほど会社に必要な人』でなければならないのです。
辞職や転職は失効を意味し、再度のビザ申請となります。安定して雇用してくれる企業ならば心配はないですが、滞在期間は雇用主次第となります。
ドイツの長期滞在許可の申請及びその取得難易度は、おそらくオーストラリアとタイの中間程度といったところです。
いかがだったでしょうか?
海外への移住は用意周到に準備する必要があり、モチベーション維持のためにも「その国が好き!」であるべきだと思います。
モチベ大事
難しい条件に直面した時も「よし、頑張ろう!」と思えることが大切。
移住先の国の大使館のサイトでビザ取得条件や必要書類を調べてみて、「イケるかも…」と思ったら行動に移してみる。
あなたの第2の人生は『海外』にあるかもしれません。
コメント