コダモンです。(@kodamon)
サービス残業をした経験はありませんか?
サービス残業とは『賃金不払残業』のことです。
賃金不払残業とは、所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金又は割増賃金を支払うことなく労働を行わせることを言います。これは労働基準法に違反する、あってはならないものです。
(厚生労働省HP 「賃金不払残業ってなんですか」,2019年10月時点)
サービス残業は違法。そして、『あってはならないもの』。
ダメ。ぜったい
しかし、実際は日本のいたるところでサービス残業が横行しています。
日本の未払い残業代はウン百億円!?
これは2011年〜2012年の事例ですが、途方も無い数字です。
一つの企業に対する最高支払い額は、建設業関連の会社の26億8,844万円だったそうです。それほどの額が不払いだったという事。
さすがにヤバい
そして、こんなものはまだ序の口です。
2017年の数字を見て見ましょう。
厚生労働省が発表した「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成29年度)」の中にあった数字がコチラです:
同じ基準で調査した6年前の数字よりも増えているのです。
そして、これら是正勧告を受けた企業は『氷山の一角』。
日本ではいまだに多くの会社員がタダ働きをして、理不尽な環境で搾取されているのかもしれないのです。
知らずにしているサービス残業
自分はこれまで日本とドイツでサラリーマンを経験しました。
日系の大手企業に勤めていた当時、残業した分を15分単位で残業代申請できていた。
たぶん優良企業
しかし…数字に残らないサービス残業となると話は別です。思い当たるフシはいくらでもあります。
「休日のメール対応」や「持ち帰り残業」などは数え切れないくらいあったし、もっと細かいところでは海外出張のために『週末を返上して現地入り』などもした。
そして、これらは全て立派なサービス残業。
まだ社会人経験の浅かった当時の自分は、上司の見よう見まねで働いていました。そして、残業代や代休を申請しない働き方が当たり前だと思っていた。
しっかり働いたのに
このようなサービス残業は、世間的に見ればかわいいもの。
日本には、これよりはるかにヤバイサービス残業がたくさんあります。
厚生労働省が発表した是正内容を見ても、一目瞭然です:
- 「IDカードの出退勤時の打刻時間とは違う時間を、労働者のパソコンから勤怠システムに記入させる」
- 「実際の記録よりも少ない残業申請をさせる。または退勤時の打刻時間がない」
これらは完全に確信犯です。
企業側は「社内チェックが甘かった」「労働時間が適正に管理されていなかった」などと釈明したそうですが、明らかに組織ぐるみのサービス残業です。
コワい
働き方ヒント!
日本人は極端に『和』を尊重するので、相手を不愉快にさせないために同調する傾向があります。職場などでは先輩後輩の上下関係もあるため、上司や同僚に対して何事も断りづらい雰囲気がある。周りがサービス残業をしていると「自分もやらなきゃ…」と勘違いしがちですが、それを看過している会社は労働基準法に違反している事を忘れてはいけません。
でも…。
みんながサービス残業をしているからといって、それに従う必要は無いのです。
サービス残業は違法!
自分は現在はドイツ国内のドイツ企業で働いていますが、基本的に残業代は出ません。
ドイツの会社ではそもそも残業が発生しないように社員の仕事量が調整されます。仮に残業が発生した場合は、その分を代休や早退などの『余暇』にあてがうことになる。ドイツ企業はコンプライアンスに対する意識が非常に強いため、上司など監督能力が問われる責任者は極力部下に残業をさせません。
ドイツでは、時間外労働が社員の負担にならないようにマネジメントされています。
ありがたい環境
そのため、かれこれ3年ほどドイツで働いていますがサービス残業はおろか残業もほぼゼロです。
日本人とドイツ人はよく勤勉な人種ということを言われますが、働き方に対するマインドセットはまったく異なります。
その両方の国でサラリーマンをやってみた結果、残業を繰り返していた当時の日本の働き方を疑問視できるようになったのです。
繰り返しになりますが、サービス残業は違法です。
日本では『サビ残』などと略されて頻繁に聞きますが、本来は企業が従業員に賃金不払残業をさせたらその場でアウト。
持ち帰り残業など一見会社側に非が無いように見える残業も、社員が各自で勤怠管理をして残業申請をすれば、企業側は対応しなければいけないのです。
サビ残は全部アウト
また、一般的に「残業代が出ない」と言われるケースにも要注意です。
外資系企業の場合
管理職の場合
残業が労働基準法で規制されているのに、サービス残業なんてもってのほか。
ただでさえ残業は憂鬱だし、賃金すら払われないなら働くモチベーションはゼロでしょう。
特に飲食店やIT関連などはサービス残業がつきものだと言われます。ネット上にも、サービス残業を強要される労働者の悲痛な声が溢れかえっている。
本当にツラそう
「下積みが大事だから」「客待ちの待機時間が長いから」などの理由で、長時間労働とサービス残業が常態化してるらしい。
日本企業には終身雇用の名残があり、賃金体系は年功序列です。会社員は定年まで同じ会社で働くことが良しとされるため、経営者や上司はちょっとやそっとで社員が辞めることはないと高を括っています。その結果長時間労働やサービス残業が常態化し、職場では「辛いのはみんな一緒!」などと言って足の引っ張り合いが行われるケースもあります。
コンプライアンスの意識などさらさら無いオッサン世代からは、パワハラまがいの残業強要などもあるでしょう。
それでも、自分を守るために真っ向から対立しなければなりません。
そのために、まずはサービス残業を拒否しましょう。
サービス残業を拒否して周りから嫌われよう!
会社と真っ向から直接対決して『サービス残業の違法性』を指摘するのは、いち社員にはなかなか難しいでしょう。
労働基準監督署に報告するなどの正攻法もありますが、それも一苦労。
そのため、まずは自分の身を守ることに専念します。
やる事は単純で、サービス残業をしないという意思表示を周りにすることです。
サビ残はしない!
これは『言うは易し』で、これまで当然のようにサービス残業を繰り返してきた人にとっては難題だと思います。
おっかない上司に歯向かいたくない人もいるだろうし、周りと違う行動を取ることに気が引ける人もいるでしょう。
職場の風当たりが強くなるのが「怖い」というのも理解できます。
それでも、やるっきゃない。
行動しないと変わらない
まず一番やっかいなのは上司ですが、はっきりと「今日はもう帰ります」「明日やります」と伝えます。もしくは、「今日はこれから予定がある」「習い事がある」などの理由でもいい。
小言を言われたり、その場で説教が始まるかもしれません。ブラックな職場ならば「仕事を終わらせろ!」「お前の仕事は誰がやるんだ!?」などと高圧的に言われることでしょう。
それでも、関係ありません。
あなたの手元には「残業代が出ないなら残業はしません」という強いカードがあります。
断るのは、サービス残業という違法行為です。
正義は絶対的にこちら側にあります。
「残業するのはお前自身の問題だ!」「仕事が遅いからだ!」などと言われても、動じないこと。社員一人一人の能力を考慮して仕事量を調節するのは、他でもない上司ひいては会社の責任です。
サービス残業を拒否したあなたは、その場で「扱いにくい人」「空気を読めない人」「職場の和を乱す人」などのレッテルを貼られます。
でも、それでいいのです。
会社は、故意か過失かはさておき違法行為を続けているのであり、あなたは違法な行為を拒否しているだけ。
当然の権利
1度でもサービス残業を断って帰宅することができれば、ほぼ成功です。
上司や同僚に対して「この人はやっかいな人」という明確なインプットができた事になり、結果的に相手があなたにサビ残を強要しづらくなるのです。
上司からは「めんどうな奴」と思われ、同僚からは「自分勝手でずるい奴」と思われる。サービス残業が当然のように行われているブラックな職場において、それを断ったあなたは周りから腫れ物扱いされて嫌われるでしょう。
でも、それでいいのです。
サービス残業は違法です。(3回目)
仮にサービス残業を断ることで上司から「仕事をふられなくなった」「仕事を増やされた」などのパワハラやいじめに遭ったら、その職場はもう真っ黒。開き直って逆に転職を考える良いキッカケだと捉えましょう。
ちなみに、これまで行ったサービス残業の時間をエクセルなどに自分で勤怠管理をしておいて、残業代を請求する姿勢を見せることも効果的です。
サービス残業をしないでストレスを減らす
労働者の権利というものは、実際に働く我々が思っているよりも強力です。
『雇用』という形態で働いている人はみんな労働基準法で守られているので、一律残業代を支払われる権利がある。日本におけるサービス残業の横行は、会社側がその権利を無視しているだけなのです。そこで働く社員が無関心であることや泣き寝入りして諦めてしまっていることが原因であるケースも多いです。
周りの人間がみんなサービス残業をしている時。
上司が当たり前のように残業を強要してきた時。
そのような時に、まず疑問を持ちましょう。
残業手当も出ないのに時間外労働をする事は普通じゃないのです。
確かに、厚生労働省の是正を受ける会社は増えています。けれど、それでブラック企業がなくなるわけではない。
サービス残業は、拒否した者勝ちです。
不当な扱いに従わない
上司も職場の人間もみんなサービス残業をしている職場において、1人だけそれを断って『仕事を放り投げる』ことは、簡単なことではありません。
でも、あなたのその行動は何一つ間違っていないのです。
叱責されても、周りに嫌われても、賃金不払残業が無くなることが先決です。
逆の立場だったらどうでしょう? もしあなたがブラックな上司であれば、文句を言わない部下やおとなしく従う部下、そして『いつも通りサービス残業する部下』にどんどん仕事をふるでしょう。それが1番楽だから。そんなものに付き合うのは不毛だし単純に損だということです。
ただでさえ日々の業務が忙しいのに、ダメ上司の怠慢には付き合いたくない。
だからこそ、職場の空気を読まずにどんどんサービス残業を断るのです。
「サービス残業はしない!」という意思表示でしか、サービス残業はなくならない。
人手不足が叫ばれ、売り手市場が続くと言われる世の中の風潮は、今確実に追い風です。
違法であるサービス残業を断って、”職場の嫌われ者“になってみましょう。
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