コダモンです。(@kodamon)
日本企業を辞めてから、ドイツで暮らしながらのんびりサラリーマンをしています。
日系企業から外資系企業に転職したわけですが、日本とドイツの働き方の違いに転職当初は衝撃を受けました。
全然違った
日本とドイツのハーフとして、自分は両方の国の文化や習慣に対する『免疫』があったはずなのですが…。転職してカルチャーショックを受けた。
それほど、日系企業と外資系企業の違いは大きいです。
外資系企業は成果主義
日系企業と外資系企業の1番大きな違いは、その職場環境。
日本の企業は年功序列の賃金体系で、1つの企業に長く勤めれば勤めるほど優遇されるようになっています。終身雇用の名残ですが、そのおかげで福利厚生も手厚い。
新入社員から勤続年数をコツコツと伸ばすことで昇級・昇給できるのが日本企業。
エスカレーター式
これが外資系企業になるとガラッと変わります。
- 社員1人ひとりに明確なタスクがあり各々が仕事にコミットしてる
- 特定の分野・業界で培ってきた経験を活かす『即戦力』の集まり
- 個々の裁量が大きく管理職者も少ないため意思決定のスピードが早い
- 高収入だがその分責任・プレッシャーが大きい
外資系企業では、基本的に『会社は面倒をみてくれない』と理解しておく必要があります。
年功序列の賃金体系がない
まず、海外には基本的に年功序列のシステムがありません。
外資系企業では年齢に関係なく、スキルや評価に応じてポジションと給与が決まります。
年下上司もいる
これが、欧米諸国が『成果主義』と言われる所以(ゆえん)です。高スキルで『デキる人材』からどんどん昇進します。
日本企業の会社員は、大きな問題さえ起こさなければ毎年少しずつ昇給して昇進できる。それに対して外資系企業は上司とのミーティングで昇給が決まります。
人事権がライン長などの直属の上司にある場合が多いです。
同時に、外資系企業には先輩後輩の関係性がない。日本法人の場合は『社歴』などを気にする古い人もたまにいますが、基本的にはフラットな人間関係です。
外国人上司と名前で呼び合う
勤続年数の長さは、外資系企業ではほぼ無意味。管理職になれるのは実力のある一握りの人材だけなので、日系企業のように『同じ部署に課長が何人もいる』という事もありません。
職場の上下関係に関しては上司に対する礼儀など初歩的なルールは存在しますが、組織構成は海外特有であり基本的には全て個人の裁量に任されています。
サバサバしてる
ダラダラと勤続年数を伸ばすことにメリットはなく、結果を残せなければ『居場所が無くなる』というコワイ事態も起こり得る。終身雇用の名残がある日本企業とは違います。
日本で「外資系企業に一生安泰はない!」という通説があるのは、そのためです。
『結果』が大事で『働く過程』は自由
成果主義であるため、やはり『結果』が物を言う世界です。
周りの人に迷惑をかけつつも、上司に対しては良い結果を示せる人が『一人勝ち』してしまうような世界でもあります。
けっこうタフ
極端な言い方をすれば、外資系企業では仕事で結果を出すまでの『働く過程』は自由なのです。その部分に対する評価も低い。
海外の企業では社員1人ひとりの裁量が大きいので、職場の人間がお互いに必要以上に干渉する事もなく、あくまで効率的に働こうとします。
そのため、日本企業にありがちな『ムダ会議』や『ムダ残業』が少ない。
これは助かる
上司、特に外国人上司のは効率的に働くことを徹底しているので『中身の無い会議』『必要のない資料』などに対しては容赦無く低評価を下します。
もちろん『お辞儀ハンコ』などのイタイ慣行も海外企業にはありません。
上司や同僚はアテにできない!自分だけが頼り
日本企業しか知らない人の目には、実力だけで評価が決まる外資系企業の職場環境はキビしく映るでしょう。
実際に日本の大手企業からドイツ企業に転職しましたが、職場のレベルの高さに驚きました。
ドイツ人上司は5歳ほど年上ですが、入社後すぐに『レベルの差』を実感。
ヘコんだ
日本企業で4年半ほどグローバルな環境で頑張ってきたつもりでしたが…。率直に「この人には敵わない」と思いました。(日本語能力以外は)
転職当時は思考回路がまだまだ『日本的』だった自分は、つまらない事で上司をイラつかせることもありました。
例えば、海外への出張申請。日本企業では申請準備に時間をかけました。
事前に上司とスケジュールのすり合わせをしてから、飛行機もチケット代金などを考慮した上でいくつかオプションを準備しつつ、承認をもらっていた。
ところが、ドイツで上司にそれをしたら…。
「取引先との打ち合わせ日時は決まっているんだろ? だったらこの時間の便しかないだろう!」
…と、逆にキレられた。
丁寧にやり過ぎた
「ムダな仕事するな!」「自分の責任で自分で決めろ!」という事です。
自分は良かれと思ってやった事ですが…これも文化の違いであり、働き方の違いです。
これはほんの些細な例ですが、海外は基本的に個人主義であり、業務遂行に関する全てにおいて他人に頼る事はできません。
日本企業からの転職では『慣れ』が必要な部分です。
外資系企業の人間関係
日本企業に勤めていた当時は、めんどうな職場の人間関係をたくさん経験しました。
- 厄介なベテラン上司や『お局様』が幅を利かせている
- 上司が帰らないから部下もそれに付き合って残業する
- 誰も有給休暇を取らないから周りがそれに同調する
- 職場の飲み会は「参加は絶対!」という雰囲気がある
『社内の偉い人とのパイプ』を自慢気に語る老害ベテランのお局様が実際にいたし、上司はいつも残業していた。
マンガみたい
作業効率などはまったく無視で、社内の古いしきたりや「○○さんが言っているから…」などの理由が優先される。良くも悪くも、日本の企業は仕組みで回っています。
集団と組織の『和』を必要以上に重んじるため、職場のルールは『絶対』。それがどんなに不効率でも、職場の人間関係が悪化するのを恐れて誰も異論を唱えない。
そんな日系企業の職場とは違い、外資系企業の人間関係はとてもスッキリしています。
個人主義で成果主義の世界なので、結果さえ出していれば誰も『働き方』についてとやかく言う人はいない。
これをネガティブにとらえるならば…外資系企業で働く社員はみんな『他人の仕事に無関心』とも言えます。
みんな早く帰りたがる
逆にポジティブに見れば、社内のめんどうな人間関係を回避できる「サバサバした付き合い」が可能です。
また、外資系企業では外国人上司が多いため会話は基本的に公用語の英語となりますが、職場の雰囲気も海外特有のものがあります。
組織がとてもフラットで、上司との関係が良好であればお互い『下の名前』で呼び合う事もあります。
外国人上司の場合ね
残業と有給休暇
外資系企業では、残業は基本的にありません。
しかし、外資系企業の日本法人となると話が変わります。
日本は…残業けっこうある
社員の大半が日本人だし、取引先も基本的には日本の顧客。そのため、外資系企業と言えど中身が『日系企業化』している場合が多いのです。
そして、その傾向が一番ネガティブに現れるのが『残業』。
現在勤務しているドイツ企業でも、日本人の同僚が働いている日本法人は残業が普通にあります。
ドイツで仕事をしていると…日本時間の夜遅くに日本からメールが飛んでくるのです。
ドイツはコンプライアンスで残業が厳しく管理されていますが、同じ企業組織でも日本法人では日本人が残業している。日本の取引先からビジネスを獲得するために『日本式』に顧客対応をする必要があり、残業を前提に仕事をする取引先に付き合わされるのです。
「外資系企業は残業が少ない!」というのは半分間違いで、日本国内での転職は注意が必要です。
そのような環境でも唯一の救いと言えるのが、有給休暇の取得率が比較的高いということです。
外資系企業では、外国人上司であれば有給休暇を申請する際に「何で休むの?」「休む理由は?」などと聞かれません。
休む理由いらない
外国人の上司は自ら率先して休むし、長期休暇の取得も容易。年間を通して「リフレッシュしながらメリハリをつけて働く!」というのが海外のスタイルなので、適宜に休める環境が外資系企業にはあります。
『個人』の権利とプライベートを尊重する社風は、圧倒的に外資系企業の方が良いです。
人事評価者は直属の上司
結論から言ってしまえば、外資系企業における上司との関係性は日系企業のソレよりも重要。
人事権を持つ上司は外国人である場合が多く、彼ら/彼女らの『仕事観』『困りごと』『部下に対する期待値』などを細かく気にしながら働く必要があります。
ゴマすりとは違う
あくまで上司の期待に仕事の結果で応えるということが求められます。
そのためにも、外資系企業に転職する場合はやっぱり英語での円滑なコミュニケーションは必須です。外国人上司からすれば、スムーズにコミュニケーションを取れる部下の方が『扱いやすい』に決まっています。
とにかく、上司とウマが合うかどうかはとっても重要。
外資系企業には、日系企業にありがちな『付き合い残業』や『半ば強制的な飲み会』はほぼありません。
個人の裁量で、あくまで効率的に働くことが求められるので仕事が終わればあとは帰るだけという環境が整っています。
そのため、上司と『フランクな飲みの席』でやり取りができる機会も少ない。
結果として、やはり仕事を通してアピールする事。結果を出す事で直属の上司から目を掛けてもらう必要があるのです。
外資系企業と日本企業の違いは『成果主義』に集約され、転職後はアウトプットの出し方(及び働き方)がガラっと変わるでしょう。
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