コダモンです。(@kodamon)
グローバルな会社員として、日本とドイツでサラリーマンをしてみました。
日本語とドイツ語が母国語で、英語はビジネスレベル。中国語は日常会話程度で一応4ヶ国語しゃべれます。

語学は便利
そんなドイツハーフは、日本で就職して都内の大手企業に勤めていました。そして…4年半でお腹がいっぱいになって辞めた。
日本で生まれ育った自分は、日本が大好き。日本の素晴らしい所もたくさん知っています。しかし…。
日本で働きたくない!
これだけが、ものすごく致命的なのです。
日本はとても暮らしやすい!けれど…
日本もドイツも自分の大切な母国。両方の国が大好き!です。どちらの国にも優劣はつけられません。
日本で生まれ、小中高と日本で過ごしてきたので…日本の良いところはたくさん知っています。
- 日本食は世界で一番おいしい!
- 日本の都市は世界で最も清潔で安全!
- 日本のサービス(精神)は素晴らしい!
- 日本のコンビニや24時間営業のスーパーは超便利!
- 都内の公共の交通手段は世界で類を見ないほど秀逸!
ドイツや中国など海外で過ごした期間が長いので、『日本の良いところ』をしみじみと実感します。

とても暮らしやすい
「いつかはまた日本で暮らしたいなぁ…」とも思うし、何より自分が生まれ育った国なので、親友など仲間の近くに腰を据える選択肢はとても魅力的。
日本で暮らすべき理由は、いくらでも見つかるのです。
しかし……。
日本で働きたくない! (2回目)
この事実が、自分を日本から遠ざけてしまいます。
日本の会社員はなぜか「みんな疲れている」

日本に帰国するたびに思う事。
それは、ポジティブな事ばかりではありません。
急ぎ足で街ゆく人、電車に揺られて出勤していく人。スーツに身を包んだ会社員たちの『顔』。
みんなとても疲れているように見える。
電車で吊り革につかまるサラリーマンは、立ちながら眠っている。座っているOLさんも、隣の人の肩に頭が乗りそうな状態で眠ってる。

みんな相当疲れてる?
満員電車で見かける会社員の中には、明らかに疲弊しきっている人がたくさんいます。
子供の頃、田舎から都内に出る時はよく電車に乗りました。そして、そこで見かけた『スーツ姿の大人たち』の苦悶の表情は今でもハッキリ覚えています。
「きっと楽しいことが無いんだろうなぁ…」疲れ切った会社員を見て、子供ながらにそう思っていた。
でも…。
そんな日本のサラリーマンに、まさか自分がなるとは。

想定外
おびただしい数の人間が、同じ時間帯に無表情で移動する都内の通勤ラッシュは世界でも有名です。
「始業時間厳守!」「部長より早く出勤する!」…そのようなルールがある会社も多く、会社員は通勤時にもプレッシャーを感じている。
そして、それらストレス要因のせいで心に余裕がない人も大勢います。
ベビーカーの妊婦さんに舌打ちしたり、我先に割り込もうとする人。

あれ何なん?
周りが見えていないのか、会社に『心』まで奪われているのか…? たかが出勤ごときで、人生がかかっているかのような必死の形相。
そこまで生き急いでどうするの?

何があるの?
夜な夜な残業が行われる日本企業では、夜の電車も帰宅中の会社員でごった返している。日本ならではの光景です。
ストレスまみれの会社員が乗る満員電車は、朝も夜も険悪な雰囲気。焦燥しきった中にも、何とも言えない殺気立った空気が流れています。
そうです…。
みんな『働くこと』で消耗している!
都内で営業として働いていた時も、周囲の人間は一見普通に働いているように見えるのに…顔には明らかに『疲れ』がにじみ出ていた。
- 終わりなく続くムダ残業、ムダ会議
- 年功序列や先輩後輩による複雑な人間関係
- 自由に取れない有給休暇
このような働き方と職場環境のせいで、いつしかそれが当たり前になる。仕事のストレスに対する感覚すらマヒして、みんな思考停止で働いているのです。
日本で働いていた4年半は、ストレスまみれで心身を消耗した。
そして、とっとと会社を辞めました。
日本の『過労死』が”Karōshi” として海外で認知される現実

日本企業には、就業規則にはない独自のルールもたくさんあります。
そして、それが上司や職場に対する嫌悪感にもつながる。
『パワハラ』や『違法残業』など、労働環境が本当にヤバい会社は一発アウトですが、ブラック企業でなくても日本の職場はストレス要因が多いです。

仕事以外も大変
残業はいくらでもするのに「始業時間は厳守!」という職場や、仕事の延長でしかない飲み会など。
そして…。
パワハラや長時間労働の積み重ねは、『過労死』というケースにつながってしまう場合もある。
会社という小さな世界の中で、社員はみんな「会社のルールが世界のルール!」とでも言わんばかりに従順にルールを守って働いています。
集団行動には必要なルールですが、それでも職場には『不効率』で『不要』なものもたくさんある。
1人だけ定時に帰ると「上司が残業してるんだぞ?」「仕事がないのか?」などと言われ、1人だけ有給休暇を取ろうとすると「自分勝手」「部署に迷惑がかかる」となる。

八方塞がり
日本の職場は『同調圧力』が強く、何でも周りに合わせる働き方が良しとされます。
周りに相談する事もできず、会社員は知らず知らずのうちに心と体を消耗していきます。

いつかポッキリいく
毎日の出社が憂鬱になり、逃げ場のない職場と人間関係にイライラが募る。休日にも仕事のことを考えてしまったり、家に帰っても会社のメールに返信してしまったり。
『ワーク』だけが先行して、『ライフ』がまったく充実していない。ワークライフバランスのない働き方です。
そのようなストレスまみれの会社生活を、実際に日本で経験しました。
そして…。
こんな働き方はもうお腹いっぱい!
そう思って転職。
大手企業で給料が良くても、福利厚生が充実していても、昇進が目前にあっても…。
会社に残る気はサラサラなかったです。

だってお腹いっぱい
そんなドイツハーフの転職先はドイツでした。
海外の働き方を経験したらもう日本で働けない?
そんなこんなで、ドイツ企業に転職。
ドイツには、日本では実践できなかったワークライフバランスがあります。
ドイツは残業が実質ゼロだし、 有給休暇は年間平均28日を100%消化します。年功序列が無いので、職場の人間関係もとてもフラット。

上司も名前で呼ぶ
ドイツ人上司は自分より先に帰ることもあるし、午後4時を過ぎたあたりから人がポツポツ帰宅し始めます。ドイツでは、社員がそれぞれの裁量と自己判断で仕事を調整するのです。
出社時間を管理・監視する人もいないし、誰かが午後3時に帰ったからといって「1人だけズルイ!」「職場の和を乱すな!」などと言う人もいない。

日本にはいる
ドイツでは、仕事の結果さえ出せていれば、社員1人ひとりの働き方は基本的にとても自由。
同じ会社員でも、日本人とドイツ人とでは人生における『仕事の優先順位』がまったく違います。家族や友人、趣味の時間に全力を注ぐのがドイツ人の特徴です。
オフィスにいる時間は必要最低限で、『定時退社』を意識しながら効率よく働こうとするドイツ人。

誰も他人の足ひっぱらない
日本のように「みんな残業してるから帰りづらい…」「周りに迷惑がかかるから休めない…」といった考えは、ドイツにはない。
ドイツ人にとって、企業勤めをする上で1番重要なのはワークライフバランスなのです。
(Finanztip,Arbeitszeitgesetz,2020年3月時点)
日本で働いていた時は、部長以下みんな『残業が当たり前』だったし、「残業するのは良い社員のお手本!」という風潮の中、みんな長時間労働をしていました。自分も同じく。

マジ後悔
そんな日本の社会人生活は、毎日がストレスと隣り合わせ。
残業や『持ち帰り残業』をしながら、仕事中心の生活を送る日本の会社員。行きたくもない飲み会に駆り出されて、有給休暇もロクに取れずに、リフレッシュができないままストレスが蓄積される。

ツライ
日本で暮らしたいけど、日本で働きたくない…というジレンマ。
日本とドイツの両方で社会人を経験してみた結果、「日本の働き方がありえない」という事実を再認識しました。
ドイツの働き方を経験したら、日本のソレにはもう戻れないかもしれない。
そのキーワードは、『ワークライフバランス』。
日本の働き方改革が進んで、ワークよりもライフ優先で働ける日がいつか来ることを願っています。
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