コダモンです。(@kodamon)
会社員であれば、誰でも一度は転職を考えます。
「給料が低いから」「職場の人間関係が辛いから」などの理由で働く環境を変えたい人もいれば、「さらなる成長のため」「より良いキャリアのため」転職する人もいます。
かくいう自分も、過去に一度だけ日本企業から外資系企業へ転職した経験があります。
転職経験者
そして…。
どんなに優秀な人材でも「転職にはリスクがある!」という事を知ったのです。
転職にはリスクがつきもの
まず結論:
ノーリスクな転職はない!
これは自分の経験からもハッキリ言えます。
仮に転職先で給与がアップしても、素敵な上司に巡り会えたとしても…全てが順風満帆にいくとは限りません。
何らかのデメリットがある
例えば自分の場合。
実際に転職を経験したわけですが、当時は「長時間労働」「休みが少ない」などの理由で日本の大手企業を辞めました。
その後ドイツでドイツ企業に転職したのですが、次のようなメリット・デメリットがありました:
メリット:
☑️有給休暇は全消化!休みたい時に休めるようになった!
☑️海外特有のフラットな組織で面倒な人間関係が無くなった!
デメリット:
❌何をするにも自分次第。周りに頼れなかった…。
これらは実際に感じた事です。
日本企業で”ぬくぬく”と社会人をしていたドイツハーフは、ドイツ企業のシビアな環境と社員一人一人のレベルの高さに度肝を抜かれました。
チビりそうになった
転職当初は「ドイツ企業の社風めっちゃ良い!」「残業少ない!」とウハウハだった。
けれど、実際に働いてみたらそれなりにキツい事も多かったのです。「転職は正解だったのか…?」と不安になる日もありました。
自分の場合は海外転職という極端な例ですが、それを抜きにしても転職したての頃は「つらい」と感じる部分がありました。
結果として、自分の転職には次のようなリスクがあった事になります:
- 転職してすぐに即戦力となるはずが『成果を出せない』リスク
- 日本企業で培った知識経験が通用しないリスク
これは、実はかなりリスキーな事。
一歩間違えればクビになっていた(かもしれない)。
「実力が足りないからだ!」
「準備不足だ!」
そのような意見もあるでしょうが、転職というのは転職先で仕事をスタートさせてからが本番です。
要するに、転職先で実際に働いてみないとわからない事が多々あるのです。
転職活動自体はとてもスムーズで「給料はアップしたし、条件面も申し分ない!」という非常に恵まれた形で転職したはずでした。
しかし、いざ働いてみたら海外企業のハードルの高さに挫折しそうになったわけです。
今となっては「転職は成功だった!」と胸を張って言えますが、転職をする事で発生するリスクを嫌という程実感したのです。
リスクばかり気にしてたら転職はできない!
繰り返しますが、転職にはリスクがつきものです。
その種類や度合いは人それぞれですが、経済的なリスク等々とにかく様々。
- 転職活動が難航する・転職先が見つからない
- 給与が上がらない・むしろ下がった
- 転職先の新しい組織・社風に慣れるまで時間がかかる
- いざ入社したら上司や職場の人間と全く合わなかった
- 実際に働いてみたら思っていた仕事内容と違った
これらは、ほんの一部分。転職する人のこだわり条件や優先順位によって『リスク』の度合いや傾向も変わります。
転職エージェントやネットから得られる情報にも限界があるため、結局は自分自身のこれまで経験や直感に頼る部分が大きいわけです。
縁とか運も大事
最終的に判断を下すのは、他でもない転職者本人。
そのため、転職をするのであればある程度リスクを受け入れる覚悟が必須です。
「転職したいけど失敗したらどうしよう…」
「次が決まらなかったらヤバい…」
「新しい職場で馴染めるか不安だ…」
そうやって心配や不安が先行してしまう気持ちもわかりますが、それではいつまで経っても踏ん切りがつかないし最悪の場合は転職にベストなタイミングを逃してしまうかもしれません。
今の日本は、某日系大手自動車メーカーの社長すらも「終身雇用は難しい」と発言する時代です。
これからは、『定年まで同じ企業で勤める』という働き方が難しくなる。
転職が当たり前になる世の中において転職にリスクはつきものという事実を受け止め、先の長い社会人生活を上手に乗り切る必要があるのです。
転職はどんどん身近なものになる
日本企業の多くは終身雇用と年功序列の制度を採用していて、一昔前までは基本的に「転職するともったいない!」と考えられていました。
とりあえず同じ会社で働いていれば勤続年数に比例して昇給するし、社内でのポジションも段階的に上がっていくからです。
その半面、転職すると新しい会社で一からのスタートとなってしまうため、新卒で就職した会社に定年まで勤めるという事が『良し』とされてきたわけです。
終身雇用の制度は日本人の性格や気質とマッチしていると言われます。長期雇用の保証を前提としているため「どうせ一生雇ってもらえるなら頑張らなくてもいいでしょ」と言って怠ける社員が多いと会社は困る。そのため、真面目で仕事をサボらない、集団行動が得意で「みんなで苦労して頑張る」という意識が強い日本人だからこそ成立する制度だとも言えます。
しかしながら、昨今の日本では事情が変わってきています。
「大企業に入社すれば一生安泰!」
このような考え方は、もう通用しないかもしれません。
その理由は単純で、昨今は超有名大手企業ですら早期・希望退職者を募ってリストラをする時代だからです。
要するに、多くの会社が『終身雇用はもうムリ!』と言っているのと同じ。
『一生安泰』はもうナイ
もう少し具体的に言えば、よほど優秀な人材でなければ基本的に会社員は『代わりのきく人間』であるため、企業の規模に関係なく『会社が辞めさせたいと考える側の人間』になってしまう可能性があるわけです。
「大企業はすぐ倒産しないし大丈夫っしょ!」などとお気楽に考えている人こそ要注意です。
大手に就職しただけで「一生安泰」などと安心していると、いつか痛い目に合うかもしれない。会社員生活で大きなリスクを背負うことになります。
このような考えは、もう通用しない。
会社員をする上では転職は身近なのものだと意識する必要があるのです。
『転職をしない』リスク
転職をしないという事で発生するリスクもあります。
いや、むしろ…。
『転職をしないリスク』は転職のリスクより大きいかもしれません。
実際に転職を経験した人間として、そう感じます。
自分が4年半で辞めた日本企業は、都内の一等地に本社をかまえる大企業でした。
ある程度有名な企業で、人によっては「うらやましい!」と言うような優良企業。
それでも、実際に働いてみて『安定・安泰』だとは微塵も感じませんでした。
安定って何だろう
確かに、その会社は福利厚生も充実していて世間一般的に言えばホワイト企業。業績も安定しているため、そこで働いているだけで社会的・個人的信頼も得られたでしょう。
しかし…。
冒頭で書いたように、その会社では長時間労働が蔓延していて、職場には昔ながらの『精神論』を振りかざすような上司もいた。
休みを取ると「周りに迷惑!」という風潮があって休みたい時に休めない。
当時は心身をたくさん消耗しました。
その会社で働き続けていたら、会社以外何もない人生を送っていたかもしれない。
人によって捉え方は様々だろうけど、自分にとってはそれが人生最大のリスクでした。
そんで転職した
ドイツ企業に転職したら『働く世界』がガラっと変わり、確かに大変な思いもしました。それでも、当時を思い出すと転職して良かった!とつくづく思います。
当時の日本企業の上司はみんな毎日遅くまで残業をして休日にも仕事をしていました。新卒から数えて勤続10数年の彼らは、身を粉にして休まず働いて人生を会社に捧げているようだった。転職していなければ、同じようにストレスまみれの会社員生活を送っていた事でしょう。
働き方を変えるため”だけ”に海外で転職するのは、確かにリスクを伴う決断でした。
しかし、転職をしないで同じ会社で働き続ける事の方がよほど大きなリスクだったのです。
転職は常に意識すべし!
社会人の多くは、正社員として企業に就職すれば『安定・安泰』だと勘違いしがちです。
特に大企業勤めであれば、毎年夏冬のボーナスがちゃんともらえるし住宅ローンも簡単に組める。そのような恵まれた環境にいると、それが『不変のもの』だと思ってしまうのです。
しかし、そこには大なり小なりリスクが必ず潜んでいます。
冒頭で述べたように、今は超大手企業ですら人員削減を迫られるような時代です。
転職しない事のリスクの一つに「選択肢がなくなる」という事があります。転職は若い時の方が成功しやすいし、何より同じ会社に長くいると『その会社の常識』でしか物事を考えられない偏った思考になりがちです。大手の看板だけ背負って実は何もできない人などは、いざ転職活動をした途端に苦労するでしょう。
「ウチの会社は大丈夫」などとのんきにかまえるのは自由ですが、将来性の確約された企業などは世の中に数えるくらいしかありません。
会社の業績が悪化してから転職を考えても、それでは確実に手遅れです。
今は第4時産業革命と言われる製造業における自動化やデータ化、あるいはAIの普及などもどんどん進んでいるため将来の仕事の存在そのものが危ぶまれる時代です。
「いつビジネスが無くなるかわからない」「いつ仕事がなくなるかわからない」そのような不安は、残念ながら常につきまといます。
それらの不安を最小限に抑えるために、転職という選択肢を念頭に置きながら会社員をするのが懸命です。
備えあれば憂いなし
『転職』を常に意識して、そこに潜むリスクを事前にしっかり把握しておきましょう。
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