コダモンです。(@kodamon)
就活生は『面接で絶対守るべき就活マナー!』などを気にしながら、内定のためにひたすら就職活動を続けます。
そんな就職活動につきものなのが『志望動機』らしいのですが…。
この『志望動機』は、就活生には答えられない意味のない質問なのかもしれません。
就活生の志望動機は『その場しのぎ』
就活の面接官は、学生の志望動機をかなり重要視するらしい。
面接の定番質問は、志望動機、自己PR、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)だが、最も重要なのは志望動機である。
(東洋経済オンライン,採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点,2020年3月時点)
まず結論から言うと、『志望動機』は学生の本音を引き出せない質問です。
なぜなら…。
日本企業では内定後にどのような仕事に就くかわからないからです。
それなのに…志望動機を聞かれても困る。
所属部署も何も決まってない
もちろん、学生は何かしらの大まかなモチベーションはあるはずです。
「自動車をいじるのが好きだから機械系エンジニアとしてメーカーで働きたい!」
「化学専攻だったから素材メーカーで研究開発したい!」
就活生の本来の『志望動機』はその程度のザックリしたものが多いでしょう。
未経験ながら、何かしらの『おおよその目標』をもって面接に臨む学生たち
しかし…。
そんな学生達とは対照的に、採用担当者は『志望動機』に対して並並ならぬ厳しさでチェックを入れる。らしい。
記事によると、面接官が学生を落とす理由は志望動機がらみも多いとの事。
- 志望動機が甘く、どの会社にも当てはまる回答の学生
- 当社志望度が低い学生。受験している業界がまったくバラバラな学生
- とりあえず就職活動をしているように見える学生
うーん…。
志望動機そんな大事?
志望度が高いとか低いとか…学生はそれすらも『わからない』と想像する。
なぜなら、入社後の『働く自分』をイメージできないから。
新卒一括採用という日本独特のシステムのおかげで、企業はとりあえず青田刈りして新入社員研修などを通してから新卒の配属先を決めます。
欧米諸国のキャリア採用とは違い、日本の就活生には『明確なポジション』は提示されない。自分が将来どの部署でどのような仕事をするかもわからないのに、志望動機に過度の期待されても学生達は困るだけ。
難しい
必然的に、学生達は『面接官に響きそうな志望動機』をその場しのぎで準備する。
そのような志望動機のやり取りだったら…全く意味がありません。
就活生たちの本音は…
採用担当者にとって大事な『就活生の志望動機』。
しかし、学生から発せられる「御社はこんなに素晴らしい!」というメッセージは建て前かもしれない。
学生たちの本当の志望動機は、別の部分にある事が多いでしょう。
「自分が住みたい街に職場があるから。実家から近いから」
「給料がいいから」
「大手で安定しそうだから」
「口コミとか評判が良かったから」
学生達に自由に『志望動機』を述べさせたら、おそらくこのような中身になると想像します。社会人経験のない学生のモチベーションは、「働きやすさ」「お金」などが先行して当然です。
本音トーク
繰り返しになりますが、日本企業の多くは新卒をとりあえず一括で雇って、新人研修などを通したうえで学生の配属先を決めます。
入社してから「入りたかった部署に配属されなかった!」などというケースは多々あるのです。本社勤務希望だったのに、本人の意に反して地方支社配属になってしまったり。
そして、就活生はそれをよーく知っている。
そのため、新卒一括採用のシステムがある限り志望動機なんてザックリとしか言えないわけです。
テンプレ通りの志望動機を準備する学生達。受け答えが『みんな同じ』になってくるのも当たり前。
バリエーションにも限界ある
「弊社を志望した動機は何ですか?」に対して「お給料が良さそうだからです!」とはさすがに言えない。それがダメなのは誰でもわかります。
しかし、採用者側が『志望動機』に過度の期待をする事も問題。
学生達は本音をそのままぶつけるわけにはいかない。けれど同時に、自分が内定をもらった後の姿なかなか想像できない。内容が伴う受け答えができません。
採用担当者が「志望動機が甘い!」などとボヤく背景には、学生の苦悩があるのです。
本来あるべき『志望動機』の姿
ドイツなどの欧米諸国では、新卒でもキャリア採用となります。
ドイツの学生は卒業時期が各々異なるので就職活動シーズンというものが無く、ドイツでは通年採用が行われています。新卒達は転職市場で『キャリア採用』となり入社後から即戦力として期待される。そのため、在学中にインターンシップなどを通して実務経験を積む事が必須なのです。
これがどういう事かというと…。
海外の就職活動は採用ポジションに対して明確なキャリアビジョンがあるということ。
もっと具体的に言えば、海外の学生は求人票に応募する。配属先、職務内容、レポートライン、必要なスキルが全て明記されているのです。
就活は実力次第
このような前提があった上で、面接官から聞かれる志望動機。ドイツの新卒は「志望する理由」や「志望根拠」を、実際のポジション・職務内容と照らし合わせて受け答えします。
日本の就職活動とは、そもそもベースが違う。
日本の就職活動では新卒一括採用のシステムのおかげでこの部分がスッポリと抜けているため、学生は志望動機を言えない・書けないのです。
それでも就職活動を乗り切るために
「受かる! 志望動機の書き方!」
就活サイトは、そのような情報で溢れかえっています。『志望動機』にまつわる攻防戦は、就活生の悩みのタネ。
あまりにも出来過ぎた模範解答をしたところで、採用担当者は「はぁ~…またかよ…」と思うだけ。なかなか難しいところです。
志望動機に関しては、とりあえず『理由』を優先させるのが良さそうです。
「御社が注力している油圧製品のヨーロッパ市場の拡大に、営業として携わりたいと考えています。大学留学で培った英語力を活かせる点が魅力です」
「大学時代にエンジニアのインターンを通してCRMシステムの開発をしていました。業務効率化の力を実感し、ITシステムの開発を仕事にしたいと考えています」
などなど。
これらは、『経験やスキル』を根拠にしつつ自分の『興味』を織り込んだもの。
単純だけど悪くないやつ
就職活動では、『内定後の自分が想像できない』にも関わらず、とりあえず答えなければならない質問が多々あるでしょう。
そのような質問には、テンプレ通りの対応をすること。具体的には:
A:「はい、第一志望です」(キッパリ)
A:「今は目の前にある就職活動に一生懸命目取り組んでいるため、内定をもらった後のことは考えていません」
面接企業が第一志望かどうかなんて、面接の時はどうでもいいのです。仮に第一志望でなくても、「いえ、実は…」などと正直に答える利点はありません。
内定に関する質問も、あくまで「仮に」という話ですので、余計なコメントをしないで明確な意思表示を避けましょう。
就職活動の面接の質疑応答には、残念ながら『お飾り的な要素』も多いです。
採用担当者に「ウチは本命じゃないんだな…」という印象を与えない程度に、うまく立ち回りましょう。
日本はもうかれこれ年十年も新卒一括採用のシステムで日本独特の新人採用を行ってきました。これは『終身雇用』と『年功序列』とセットで考える必要があり、新社会人を早い段階で『会社色』に染めるのに好都合なシステム。社員を長期的な視点で育てることにより、忠誠心を養成する目的もあります。
そのような就職活動は億劫(おっくう)だけれど、日本の採用システムが根本から変わらないうちは…どうしようもない。
付き合うしかない
採用担当者も十人十色だとは思いますが、基本的にはマニュアルと『自社スタンダード』でしか面接を行えない。
就職活動の「あなたの志望動機は?」という質問は、今後も無くならないのです。
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