コダモンです。(@kodamon)
残業をテーマにしたドラマ『わたし、定時で帰ります。』が一時期日本で人気でした。
吉高由里子さんが演じる主人公は、『毎日定時で帰る』がモットーの会社員…という設定だそうです。
余暇を満喫
午後5時半などの定時で仕事を切り上げて、家族や趣味の時間を充実させたり、行きつけの居酒屋で飲んだり…。
そのような働き方は、会社員ならば誰もが理想とするもの。
しかし…。現実は厳しい。
ドラマの主人公のように仕事とプライベートにメリハリをつけて働く事は、簡単なことではありません。
では、実際に定時で帰るにはどうすればいいのでしょうか?
日本では残業が当たり前
日本企業には「残業は当たり前」という意識が、今も根強く残っています。
そのため、日本で会社員をしていると基本的に『残業』がついてまわる。
残業たくさん
「残業する人は頑張っている」「残業する人はエライ」という思考を持っている人が、日本の職場にはたくさんいます。
効率や生産性は度外視で、ルーティーンのようにとりあえず残業してる。
「自分は毎日残業している!」「頑張ってる!」という社員も、その働き方をよくよく観察すると勤務時間にタバコをスパスパ吸っていつまでもダラダラ働いている…などという事はザラです。
「残業代が出るから」という理由で、明らかに仕事が無いのにムダ残業を繰り返す人もいます。
いや早く帰れよ
そのような人・環境が存在する日本の会社は多い。
慢性的な残業のせいで、日本の職場には定時で帰り辛い雰囲気があるのです。
仕事が終わって帰ろうとすると、周りの人間は何やら忙しそうにしている。それでも帰ろうとすると「あいつまたかよ…」というイタイ視線を感じる。
人間関係の悪化が怖くて、周りの仕事が終わるまで待ってしまう人もいる。
仕事してるフリ
このように、どうしようもないほど効率の悪い働き方が日本のどこかの職場で日々行われているのです。
でも…。
そんなものに付き合うほどヒマじゃない。
そう思いませんか?
仕事が終わったら、さっさと帰りたい。
友達と飲みに行ったり、映画を観に行ったり、家でマンガを読んだり。会社以外にやりたい事は山ほどあります。
習いごともしたい
職場のムダ残業に付き合わない方法はないのでしょうか?
なぜ残業が無くならないのか?
日本の企業に根強く残る「残業は当たり前」という意識。それ以外にも、物理的に残業が無くならないという状況があります。
例えば、営業職の人。彼ら/彼女らの業務には、顧客や店舗などの対応から、社内の各部署をつなぐ折衝業務などがあるため、「なかなか自分のペースで仕事を進められない」という事実があります。
仕事が長引く
要するに、いくら自分の仕事を効率よく時間内にこなしても、他部署や他社など『周りからのレスポンス』がないと仕事を進められない状況が生まれるのです。
自分がいくら頑張ったところで、関係者がみんな周りに合わせて『残業ありき』で物事を進めようとするので、そのしわ寄せが自分にも来てしまう。
このような状況は、世界のどこにでもあのですが…。
残念ながら、日本は特にヒドイです。
その理由は、前述の『残業は当たり前』という意識。
社内の人間も取引先もみんな『残業は当たり前』だと思っているので、定時が過ぎても追加の仕事の依頼が来たり、定時後に会議が設定されたり、定時後に電話がかかってきたりする。
残業ありき
仕事に関わる全ての人間が、就業時間外のメールや電話対応が当たり前だと思って働いている。
そのため、『定時後も仕事がなくならない』という無限ループから抜け出せなくなる人が大勢います。
上司も当然のように残業しているので、定時に帰ろうと支度をしていたら「これもやっておいてよ」などと言われたり。
ボソ…(お前がやれよ)
これらは、ドイツなどの欧米諸国では考えられない働き方です。
ドイツでは、取引先も含めて残業をしない働き方が徹底されています。コンプライアンスを重視する環境と大義名分のもと、仕事が終われば帰宅するのがドイツの職場。
しかし…。日本にはそのような環境がない。
社会人を取り巻く環境には『残業文化に染まった人』が必ず1人は存在します。社内にも社外にも、残業を基準に仕事を進める人がいる。「残業は美徳!」と考える上司も多く、効率良く仕事をこなして定時帰宅する人が適正に評価されない事もあるのです。
いつまで経っても仕事が減らない背景には、慢性的な長時間労働を続ける日本の働き方があるのです。
残業をしない働き方
みんなが残業している中、一人だけ帰る事に対する風当たりは強いです。
それでも定時に帰りたい人は、どうすれば良いのでしょうか?
働き方を変える“意思表示”
まず、あなたの置かれた状況を変えます。
そのために、自分は残業をしないという意思表示をしましょう。
特に、周りの同調圧力や『惰性』でズルズルと残業をしている場合はすぐに行動に起こすこと。
やるべき仕事が終わったら「今日はこの後予定があるから」「今朝早く出社して仕事したから」などの理由で、周囲や上司に意思表示をした上で『定時に帰る人』の印象を持たせましょう。
仕事の効率化
定時で帰るためには、決められた仕事をきっちり時間内にこなす必要があります。
実際に定時で切り上げるには、これが1番の関門となるでしょう。
社内だけでなく、取引先などの対応も就業時間内に終わらせるためには、あなたの職種や業種に合わせた『システム』を構築する必要があります。
具体的には:
- 締め切りがその日にあるものを優先させる
- 『To Do リスト』(やる事リスト)を作って1日の業務を管理する
- 17時以降など、決めた時間以降は会議に参加しない
- 明日できることは明日やる
定時以降に仕事が発生しないための自己管理とリズムを作り込みます。
まずはできる事から
取引先に対しても、「この人は午後6時以降はつながらないけど翌日対応が早い」などの印象やルーティーンを植え付ける事がてきれば、定時後の仕事を回避できる。『翌日対応』をスタンダード化させることもできます。
上司は「デキる部下」に仕事をふりたがります。それが時短につながるし、余計な手ほどきを省けるからです。そのため、仕事を効率良くこなす事は『仕事が増えるリスク』と隣り合わせ。継続的に定時で帰るには、この部分をコントロールする必要もあります。
仕事を引き受けない
仕事を効率よく就業時間内に終わらせられるようになったら、今度は仕事を断る事をしましょう。
仮に『残業をしないと完了できない追加業務』を与えられたら、それは上司の部下に対する甘えです。
上司が部署の中の仕事量をマネジメントできていない証拠であり、あなたがそれに付き合う必要はない。同時に、『自分以外でも担当可能な案件』には手を出さないこと。場合によっては丁重にお断りしましょう。
これらの行動を実行に移すと、必ずと言っていいほど周囲の反感を買います。
職場の和を乱してる!?
あなたは「自分勝手」「周りに迷惑をかけている」とのレッテルを貼られることでしょう。
ブラックな上司からは「部下が仕事を断るな!」「生意気言うな!」などとキレられて、プレッシャーをかけられるかもしれません。
でも、ここで折れてはダメ。
周りの人間と同じように残業を続けるか、定時で帰るか? 会社員生活における『分かれ道』です。
本当に定時で帰りたいなら、まずはきっちりとやるべき仕事をこなす。そして、それが終わったらさっさと帰る。『本来自分のタスクではない仕事』は、極力断る。
『残業をしない働き方』は、行動に移すことでしか実現できません。
定時で帰るために徹底すること
1つだけ注意点があります。
「仕事で成長したい!」「社内で認められたい!」というのであれば、残業は必須です。
自分のキャリアを考えた時に『どこを目指すのか?』ということは、社会人のみなさんの自由です。
言い方を変えれば、定時に帰るという事は『会社員としての何かを犠牲にする』という可能性が少なからずあるわけです。
会社は学びの場でもある
企業として大事な時期や、重要な案件が佳境になった時に残業が発生するのは欧米諸国も同じです。ただし、それが慢性的になるのはダメ。
就職した先にブラックな上司がいれば、あなたが「残業をしない」という意思表示をしたら、仕事の成果を見ないうちにネガティブな評価を下すかもしれません。
そのため、「ワークライフバランスを充実させて、健全な社会人生活を送りたい!」そう願う人だけが、無理やりにでも定時に帰ればいいのです。
実際に『定時で帰るための働き方』を確立できたら、そこからが本当の勝負。
「1人だけ残業をしないのは自己中心的!」
「チームの和を乱している!」
「毎日定時で帰るほどヒマなの!?」
そのように言われたりするかもしれません。定時で帰る人に対しての風当たりはキビしいでしょう。集団行動が得意な職場で、同調圧力と戦うことになります。
周りはみんな敵?
そのため、定時で帰るために徹底するべき事は、後にも先にも「私は自分の仕事をキッチリ終えている」と周囲に認識させること。
最終的に、あなたは「ペチャクチャおしゃべりをする時間」「タバコをダラダラ吸う時間」などを返上して、就業時間内でテキパキと働く(という姿勢を貫く)必要があります。
社員が残業をしなくなる日
「明確な目標がある場合」や「仕事が楽しい場合」は、健全な範囲で残業をするのがいいでしょう。
将来のキャリアのために、若い時にたくさん残業をしてスキルアップするのも、決して悪い事ではない。
しかし、慢性的な残業で『感覚がマヒ』している人は要注意です。
仮に長時間労働に幸福感を覚えていても、それはあくまで自己満足のレベル。たくさん残業しているからといって、昇進や昇給は約束されません。
結局ムダ残業?
どれだけ仕事を頑張って残業しても、上司や会社は「本人にやる気があるならいいじゃないか」と言って放置するだけかもしれません。残業に対して何の評価も無く、何の見返りもないかもしれない。毎日残業して企業に貢献している『つもり』の人は大勢います。
少子高齢化が進む日本の社会では、おそらく今後も人手不足が続くでしょう。
ブラック企業には人が集まらなくなり、どの会社も優秀な人材を確保する事が至上命題となっています。
同時に、安定・安泰と言われていた大手企業が大規模なリストラを行う世の中にもなりました。終身雇用が崩壊し、「会社が一生面倒を見てくれる」という時代が終わったのです。
会社に頼らない
そのような環境の中、会社と社員の関係はこれまでにないほどドライになります。
転職市場もどんどん活発になり、社員1人ひとりの『意見』『働き方へのこだわり』というものを会社は無視できなくなります。
長時間労働が厳しく管理される日が、近い将来現実的なものになる。
これらを踏まえて、ドラマのように『わたし、定時で帰ります。』という事を実行するのは、とても理にかなっているのです。
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