コダモンです。(@kodamon)
日本とドイツで実際にサラリーマンをやってみました。
日本語とドイツ語のバイリンガルで、日本の大手上場企業に4年半勤めてからドイツで転職。
グローバルな会社員
自分は日本で生まれ育ちましたが、日本では学校でも企業でも集団行動が『良し』だと教えられます。個人主義の海外とは真逆で、先輩後輩の上下関係なども日本の特徴。
そんな日本の職場ではみんな『和』を乱さないように気をつけるし、誰か1人でも別行動をすると「自分勝手だ!」「空気を読め!」などと言われます。
個人主義で成果主義の海外企業とは、その働き方のベースが違う。
そして…これが日本の会社員の大きなストレス要因になっているのです。
周りに合わせて就職活動を行う
日本では、社会人になるまで学校や日常生活で「周りに迷惑をかけるな!」 という教育を経験します。
「出る杭は打たれる」とはよく言ったもので、周りに合わせない人間に対してはネガティブが持たれる。そのため、日本では多くの人が『周りに合わせること』を良しとする傾向がある。
そして、それは少なからず就職活動にも影響します。
日本の企業は世界でも珍しい新卒一括採用というシステムを採用していて、海外のように『通年採用』を行なっている企業は少数派であり、多くの大手企業は一括で新卒を採用します。
企業は新卒を総合職として『とりあえず一括で採用』して、新入社員研修を通して配属先を決定させる。
このシステムのおかげで、学生達はほぼ同時期にワラワラと就職活動をはじめます。
毎年恒例
そして、この時に周りに合わせて行動する若者は多いです。
「周りがみんなやってるから」という理由でなんとなく就職活動をスタートさせて、目的意識を持たない人がたくさんいる。
なんとなく就職活動をして、内定をもらった会社になんとなく決めてみる。その結果、入社後のイメージができないというケースは多いです。
そのような思考停止の就職活動をする前に、自分と向き合うことが大切です。
周りに流されない
大学院に進んだり、留学したり、新卒から海外就職を目指したり。「働きたい!」と思える会社がないのであれば、ありきたりな就職活動をする以外の道はたくさんあります。
とりあえず周りに合わせて就職活動をしてなんとなく会社に入社した人は、『それなりの将来性』しか見込めないかもしれない。
ストレスまみれの会社員生活は、すぐ目の前で待ち受けています。
周りに合わせて会社員になる
周りの流れに乗ってなんとなく就職活動を終えた人は、そのままなんとなく社会人生活がスタートします。
「大手だから」「有名企業だから」など理由で、とりあえず内定を決めた会社。
そこからは、入社後は新入社員研修を通して部署へ配属となり、そのまま年功序列と集団行動が支配する組織の中であっという間に『会社色』に染められます。
「残業するのは当たり前!」
「有給休暇が取れないのは当たり前!」
そのように先輩や上司に叱咤激励されながら、職場では何でもかんでも「社会人だから当然!」「みんなやってる事だ!」だと教えられる。
なされるがまま
新社会人となった若者は、入社した会社の『就業規則』と『職場の暗黙のルール』の区別もできないまま職場のルールが世界のルール!と言わんばかりに会社色に染め上げられます。
慣れない会社員生活がどんなにストレスでも、「自分はもう社会人になったんだ…」と言い聞かせながらゆっくりと心身を消耗する。
目的意識の無いまま就職を決めてしまった新入社員は、入社後に特に苦労するでしょう。そこが『自分が望んで飛び込んだ環境では無い』からです。
仕事『させられてる』
夢や希望を抱いて入社したわけでもなく、仕事を通して『やりたい事』があるわけでもない。なんとなく会社員になった人には、日本で社会人を頑張るためのモチベーションがそもそも無いのです。
周りに合わせて残業をする
周りに合わせて会社員になったら、その後は苦労しかありません。
そのうちの一つが『残業』です。
以前勤めていた大手企業の営業部では、上司も同僚もみんなたくさん残業をしていました。
みんな残業まみれ
職場の人間は新入社員時代から「残業は当たり前!」と教え込まれ、そのまま何年もひたすら残業を繰り返します。
本音を言えば、誰にとっても長時間労働は苦痛で嫌なもの。それでも、みんな残業しているから1人だけ帰れない。仕事もないのにダラダラ意味なく会社に残る人もいます。
そのように思考停止のルーティーンを身につけた社会人は、定時になっても誰も席を立とうとしない。生産性や効率は完全に無視で、みんなとりあえず残業タイムに突入。
問答無用の残業
そのような職場には常日頃から残業前提で仕事をする人がいます。ハナっから定時過ぎに会議を設定するような輩もいる。
「どうせみんな残業するから」という間違った思考を持つ人が大勢いるのです。
さらに手に負えないのが、日本の職場にありがちな「周りが残っているから自分も残業しなきゃ…」という風潮。
上司も周りもみんな残業しているから帰りづらい。本来は「お先に失礼します!」と言ってさっさと帰宅したいのに、それをしづらい空気感がある。
1人だけ先に帰って『職場の和』を乱すことに不安を感じてしまうのです。
もはや洗脳
海外企業は成果主義で、残業ばかりしている人は『仕事ができない人』というマイナス評価につながります。それなのに、日本企業では「残業している人は頑張っている!」という傾向すらある。
残業が美化される環境もあり、『上司の評価』を上げるために無理矢理にでも仕事を見つけて会社に残る人もいます。
そのような人間に囲まれながら、周りに合わせて残業をする事でストレスを積み重ねていくのです。
周りに合わせて有給を取らない
「周りに迷惑がかかるから…」
「誰も有給休暇を取らないから…」
そう言って、有給休暇を消化していない人が日本の職場には大勢います。
周りを気にし過ぎ…
そもそも、有給休暇は労働者の権利です。その権利を行使する事は自由だし、有給の取得には本来『理由』もいらない。
しかし…。
日本の有給消化率は先進国の中でもダントツで低いです。
(エクスペディア,日本人の有給休暇取得率,2020年4月時点)
さらに…。
日本の企業が1年間に付与した年次有給休暇日数は労働者1人あたり平均18.0日。それに対して、労働者が取得した日数はたったの9.4日。
(厚生労働省,平成31年就労条件総合調査,2020年4月時点)
日本の職場には「仕事を休むと職場に迷惑がかかる」という理由で有給休暇を取らない人が大勢います。
「休まず働く」が正義?
「自分が休んだら〇〇さんに迷惑がかかる…」「上司が休まないから…」そのような心理的ハードルを勝手に設けて労働者の権利を放棄する日本の会社員。
社員が長期休暇を取ると仕事がまわらない職場は、人手不足だけではなく上司が組織をマネジメントできていない事が原因です。ダメ上司が『有給休暇を取らない部下』に甘えているので組織体制や働き方が一向に変わらない。有給休暇を取得しやすい環境を作ることは上司や経営陣の大事な仕事です。
「誰も休まないから」と言って大切な有給休暇を取得しないのは『損』としか言いようがありません。
だって労働者の権利
以前働いていた営業部には「有給が何十日分もたまっている」と自慢気に話すイタイ上司がいました。
無能な上司がお手本になって有給休暇を取得しない。そして、それを「頑張っている!」「休まず働くのは素晴らしい!」などとする風潮がある。
救いようがない
そういった上司のおかげで部下は有給休暇の申請をしぶり、「上司が休まないから休めない…」という見えないプレッシャーが確立されます。
本来であれば、与えられた休暇を適宜に消化してリフレッシュしながら仕事に励むのが有給休暇の意義です。有給を上手に消化する事ができれば職場の士気も上がり生産性向上につながるでしょう。
それなのに…。その真逆を行く職場が多い。
企業によっては「休んだ翌日に職場でのお礼の言葉は必須!」とか「部署にお菓子を差し入れる!」などのありえないマナーもあるらしい。
繰り返しになりますが、有給休暇は労働者に与えられる当然の権利です。
休みたい時に休む
「有給のマナーを守るのが当たり前!」「有給休暇は全消化できなくて当然!」などと言う意味不明な常識で、ストレスまみれの働き方を続けるのです。
周りに合わせて会社に人生を捧げる?
最後に。
日本で会社員をする時に『周りに合わせる事』はリスクでしかありません。
あくまで誤解しないでいただきたいのは、ここで述べているのは『チームワーク』とか『協調性』などとは別の話だという事。
企業の利益のために与えられた仕事をこなして、部署として、チームとして結果を出す必要があるのは当選です。職場での協働を否定するわけではありません。
そうではなく、「みんながやっているから」などの理由で思考停止で行動するのは危険だということです。
考えよう
社会人経験が少ないうちは難しいと想像しますが、入社後すぐに『周りに合わせる事』に慣れてしまうと後戻りが難しくなります。
「みんなが帰らないから残業する」「みんなが休まないから有給を取らない」。そのような働き方を続けると、そのストレスから抜け出せなくなるでしょう。
企業組織の中で「どのような社会人生活を送るか?」という事は、他でもないあなたの考え方次第で変えられます。
「周りがやっているから、私も…」
そうやって安易に行動する前に、その先に待ち受けるリスクを考えてみてください。
『周りに合わせながら』延々と働いた先にあるのものは、会社に人生を縛られる悲しい末路かもしれないのです。
コメント